マイケル・キートンじゃなかった!
第87回アカデミー賞授賞式、主演男優賞はエディ・レッド”メイビー” ならぬレッドメインでした。30代前半の受賞は久々。
Les Misérables の後、ずいぶん時間を空けてからのホーキング博士。役の選び方がすばらしい。
( Jupiter Ascending については、この際忘れましょう。)
去年が「順当」ならば、今年は「マイルド」な授賞式。司会がニール・パトリック・ハリスなので大いに楽しみにしていたのですが、
あまりNPHらしくもなく、派手でもなく、歌いまくるでもなく、控えめ。別にライブで見なくても、Buzzfeedのフィードでも十分だったかも。
ファッションも大きく外れも当たりもせず、一番驚いたのはケヴィン・ハートのタキシード、むむむなLANVINなり。
外国語映画賞はポーランドの映画Ida、監督の受賞スピーチがチャーミングでした。追い出しの音楽に負けず可笑しかった。
彼をはじめ英語が第一言語ではない勢のスピーチの「言い切ってやる感」、たくましいです。
しかし一番印象に残るスピーチは、The Imitation Game で脚色賞をゲットしたまだ若きGraham Moore のもの。
TIGは良い作品ながら今年の他作品と比べると抜きん出たところがなく、賞レースには負けっぱなしでしたがここで受賞できて良かった。
“Stay weird, stay different.” のくだりは、なかなか熱かったです。会場からの拍手にも熱がこもる。
主演女優賞のジュリアン・ムーアは皆文句なしだったはず。
ただ、難病にマイノリティ差別といったテーマへの偏り、それへの自己批判、ハリウッドの人種問題、マイケル・キートンのカム・バック感やらメタ感、
すべてが奇妙に入り組んで、どこにスポットライトが当たっているのかはっきりしない授賞式でした。
今までだってそうでしたが、ただ作品を評価するという感覚が加速度を増して失われていく気がしてしょうがない。
(そういう鬱憤が全部辛辣なジョークになってワインスタインに向けられるのは面白いけど。)
これだったらBAFTA(イギリス版オスカー)の方が、冗談がきつくて面白かったかも。
新人賞に当たるBAFTA Rising Star を貰ったジャック・オコンネル、なんだかトム・ハーディを荒削りにした感じ。
主演したUnbroken は賞レースには絡まなかったけど、別の主演作 ’71 とか見てみたい。
いつもの超ビッグサイズ・タッセル、来年までさようなら。