ベルベット。ベルベットって難しい素材なんでしょうか。
確かに着るのはちょっと難しい、野暮ったくなりがちな気がします。
男性だとなおさらで、長らく「ベルベット・スーツ」はコメディ映画のアホ役のための服装でしたが、
そこに落ちてきた爆弾が、ライアン・ゴスリング。
今年3月の末、主演した映画のプレミアに「真面目に」全身ベルベット・スーツで登場。
以降、ひょっとして、ベルベットっていけるんじゃないだろうか?っていう空気が濃くなってきました。たぶん。
実は、レ・ミゼラブルのエディ・レッドメインも、そのちょっと前からベルベット・スーツ着用中。
彼の場合、爽やかに似合いすぎてしまい、あんまり話題にはならなかったのですが。
メトロポリタン美術館のTimeline (美術史、デジタル・アーカイヴのサイト) によると、
「パイル織物」自体は数千年前からエジプトにあったものの、シルクのベルベットは13世紀前後、
中国を起源として誕生したと考えられています。
ヨーロッパで特にベルベットが珍重されたのは、ルネサンスの頃。主な生産地は、イタリア半島でした。
シルクと貴重な金・銀糸で、複雑なパターンを織り綴ったものは、立派な「財産」だったそう。
そういえば、日本には厚みのある織物はなかったのかな。
そんな背景があって(ずいぶん割愛しましたが)、ベルベットはリッチだという印象がありますね。
だからか、最近では宝石屋さんか、ウェディング・シーンでくらいかしか見かけないかも?
もったいない!と思う一方で、上手に使うのは、確かに難しい。
日本でインテリアに取り入れるなら、カーテン(薄地のベルベットがおすすめ)、クッションだと入りやすいかな?
ああ、それからタッセルもお忘れなく。
「財産」ほどではないですが、ちょっとした「チャーム」にぜひ。
参考サイト: Renaissance Velvet Textiles – Heilbrunn Timeline of Art History